一般人からしたら終わっていると扱われがちな安酒界にも、ある程度の矜持とラインというものが確実に存在する。その砦の一角を担っているのがこちら
-196℃ ストロングゼロ 無糖DRY!
商品説明
見て下さいこの洗練された美しいフォルムを。
レモンやグレープフルーツなんてちょろい果物をドバドバ入れるのは邪道。漢なら酔えさえすればどうでも良いだろうと言わんばかりのこの堂々たるお姿。
そう、こいつは無糖という名のただのアルコールの塊なのである。
そして人はこう呼ぶ。「虚無の酒」と。
虚無の酒と呼ばれる理由は最後に話すとして、先に説明をしていきましょう。
9%のラインナップでどうしてもネックになるのが、5%クラスとは圧倒的に違うアルコール臭さをどう扱うかという点。
基本的に良くあるパターンとして、我らが王であるダブルレモンの様に果汁感をマシマシにしたり、コーラサワーの様に人工甘味料をドバしてアルコールの臭みを逸らしたり上書きしていたりするのが王道。
ですがこのストゼロ無糖DRYは違う。
アルコールそのもので勝負しに来ているのです。
実に終わっている様に見えるでしょう?安心して下さい。ちゃんと飲めるようなテイストになっている「はず」ですので、原材料を確認してみましょう。
原材料チェック
ね?大丈夫なように見えるでしょう?
ベースをアルコールストレートでは無く、ウォッカやラム等をブレンドした飲みやすいスピリッツを採用。
更に香り付けにライム等の柑橘類も使用しております。
では一体何が無糖と言わしめているかというと、チューハイではほぼ間違いなく入っているはずの人工甘味料が一切入っておりません。
まあ安酒を嗜む訓練された民にとっては諸説ある人工甘味料の健康への影響なんざあって無いようなもんですが、人口甘味料不使用という事でオーガニック派の人へも私は健康的な嗜好品を嗜んでいると言い張る事が出来ると言うのが素晴らしい点ですね!
何事も勢いがあればどうにでもなります。
とまあそんな前置きはさておき、早速注いで行って参りましょう。
グラスに注いでみる
はい、当然色は無色透明でございます。ストゼロ水の如し。
炭酸は若干ではありますが、他のストゼロシリーズよりもやや強いような気がします。注ぎの勢いや高さもあるのでこの辺は誤差かもしれませんが。
香りは、酒です。はい。
ただライム中心の柑橘類の香りは思ったより結構ちゃんとします。これによってTHE酒感がだいぶ和らいでいますね。
無糖でこの香りなら全然悪く無い、むしろ好印象といった感触です。
ではいよいよストゼロ無糖DRY、実際に飲んでレビューしていきましょう。
実飲レビュー開始!
んんおっ!!!?
味が来る前にまず最初の口当たりが明らかに他のチューハイと違います。
なんて言うんですかね、液体が硬水っぽい様な重さを感じるんですよ。ドロっとしてるとまではもちろんいかないんですけど、いろはす的な軟水のスルスル感では無いです。
他のストゼロだと味がビタビタに付いているので気付かないだけかもしれませんが、この無糖DRYだと露骨に感じますね。
ちなみに香りにあった柑橘感ですが、匂いの強さと裏腹に飲むと最初のちょっとだけ感じる程度で、味としてはほぼ柑橘感はありません。まさに無糖なのですが、このほんのちょっとの匂いのおかげで自然と飲みやすくなっている気がします。
炭酸感はいつものストゼロの感じで強めの微炭酸。
そして1番大事なアルコール。これは流石無糖と言うべきかバチバチに酒飲んでる感を味わえます。
で、元々ストゼロ自体が嫌な舌残りが比較的あまり無い方ですが、特にこれは後味がまさにDRYと言うべきか非常にすっきりしております。
という事でこれ一言でまとめると、
海外の無糖炭酸水とストゼロのフュージョン
という表現が適切かもしれません。
普段味のしっかりあるチューハイを飲んでいると初見はえっ!?となりますが、2口目からはなんか不思議と癖になる謎の幸福感を得られます。
実に危険な兆候ですね。
しかしまあ無糖でも美味しく頂けるもんだと言う事に正直驚いております。
ただでさえストゼロは一般的に強烈な部類で、更にその糖無しは攻撃力が半端ないと思っておりましたが、想定外の完成度の高さに評価を改めねばなりませんね…
これはありありのアリです。
そして1つ、これの良い所と悪い所を割と明確に感じるのですが、
まずは良い所として冷やすと当然より飲みやすくなって美味いのですが、これ常温レベルでぬるくなっても全然イケます。
他のストゼロシリーズは正直キンッキンに冷やして飲む前提であって、常温だと飲めやしないのですが、無糖DRYは余計な味付けが無い分そこまで温度に影響受けづらい様に感じます。
ま、当然冷やしたり氷入れた方がよりスッキリするんですけどね。
良くデトックスや健康の為とか言って無糖炭酸水を飲む意識高いねーちゃんとかいるじゃ無いですか。
あれの意識低いバージョンです。
レンチンして熱燗風までして飲むなんて暴挙をするは流石にしんどいでしょうが、RTD(蓋開けて即飲み)業界としての完成度は中々に高いと思います。
箱買いして部屋に置いといて、冷やし忘れても全然オッケー。野外でふらふらしながら適当に飲んでもオッケーって感じです。
逆に悪い所なのですが、これ飲んでると舌が物足りなくて無性につまみが欲しくなるって所ですかね。
あとついでに、あぁ〜なんかもしかして自分終わりへと向かってるのかなぁ、なんておセンチな気持ちが一瞬だけやってきます。
まあ飲めばどうでもよくなりますけどね。
普段からレモンやら何やらのフレーバータイプを常飲してる身としては、これ単体だけで飲むとなると晩酌的満足度が足りない感じがします。
無糖炭酸水が普通にイケるって人は全然大丈夫だと思いますが、無糖炭酸水より三ツ矢サイダーっしょ!なんて人は多分私と同じ感想になるかと思います。
で、これ公式のオススメなんかでも紹介している通り
アルコール度数9%で全く甘くなく、キリッとしたうまさで食事によく合う!
サントリー ストロングゼロ 無糖DRY
お食事にも合うとの事ですが、注意点が1つ。
私はとりあえず飲み進めている途中から冷凍唐揚げをお供に携えたのですが、唐揚げ等の様な居酒屋おつまみなら正直ストゼロレモンとかビールの方が合いますね。
まさに炭酸水という味なので、その名の通り「御食事」と共にと言った感じです。
海鮮には日本酒。生ハムとチーズにはワイン。といったすでに正解がある物には勝てないものの、何と合わせても「邪魔しない」汎用性の高さが良いポイントだと思います。
総評とあとがき
とベラベラ言っている間に完飲。
総合的に決して万能でもNo.1でも無いですが、汎用性の高さで言えばかなり高評価なストゼロということで、とりあえず箱買いで部屋に置いておきたいと思える、懐刀な一品でございました。
と、ここまで良い事と悪い事と言ってきましたが、最後に大事な話をしておきます。
これはあくまで超えなくて良い壁を超えてしまった安酒飲み界隈の話であって、
上記一連の話を世間一般向けに翻訳すると
・全然味がしない。マズいとかでは無く、無。
・酒を呑んでるのでは無く、アルコールを摂取するだけの液体薬物。
・飲んでいても虚しいし、意識も虚ろになって考えていた事とかも虚空に消えていく
それがストゼロ無糖DRY。通称「虚無の酒」の正体である。
まあ初めての無糖系チューハイであったり、初めての9%として飲むには中々ハードルが高いチューハイって事でございますね。
9%という度数は日本酒やワインに比べれば低いですが、チューハイとしては決して低くはない度数ですし、なにより無糖DRYということでそのアルコールをダイレクトに感じやすいのも拍車をかけてます。
ある種の砦、境界線として存在しているこのストロングゼロ無糖DRY。
あなたは美味いかマズいかどちらに感じるでしょうか?
お試しの際は、用法用量を正しくお守りくださいませ。
では!
参考価格
参考価格 | 350ml缶 1本 | コスパ |
メーカー希望小売価格 | 162円(税込) | |
コンビニ | 162円(税込) | 悪い |
スーパー | まちまち | セール時は最安 |
Amazon | 123円(税込) |
最高 |
成分表
成分 | 100mlあたり |
エネルギー | 52kcal |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 0.1〜0.6g |
ー糖類 | 0g |
食塩相当量 | 0.02〜0.07g |
プリン体 | 0mg |